2017年06月26日

いつでも、どこでも、誰とでも手話による意思疎通ができる地域社会を目指して 

こんにちわ

まにわ充裕です!

本日は、伊勢崎市議会にとって歴史的な日となりました。

議員提案による初の政策的条例が制定されました。

伊勢崎市手話言語条例です。
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経緯:
・平成28年10月に議員全員研修会にて制定に向けて検討開始。

・平成29年3月22日より、議員代表者・聴覚障害者福祉協会・伊勢崎市手話サークルどんぐりの会・手話通訳者協会の計19名にて、5回の会議を行い、意見の聞き取りと集約を行う。

・平成29年6月1日議会運営委員会。「手話は言語である」との考えのもと、手話やろう者への理解、手話の普及への促進を図るため、手話言語条例の制定が必要と考える。よって、議会運営委員会において検討するよう求める。各会派代表、伊勢崎クラブ会長原田和行・政経クラブ会長堀地和子・公明党代表内田彰・日本共産党議員団団長北島元雄・正論の会会長伊藤純子・いせさき未来会長馬庭充裕連名。

・平成29年6月26日、本会議。伊勢崎市手話言語条例案提出。提出者、伊勢崎市議会議員斉藤優・手島良市・原田和行・野田文雄・須永武久・鈴木良尚・新藤靖・堀地和子・羽鳥基宏・長谷田公子。

全員賛成で条例案可決。

条文および解説

伊勢崎市手話言語条例

 言語は、他者とコミュニケーションを図り、知識を蓄え、文化を創造する上で不可欠なものであり、人類の発展に大きく寄与してきた。
 手話は、音声言語と異なり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語である。ろう者は、物事を考え、お互いの気持ちを理解するための言語として、長い間、手話は言語として認められなかったことから、ろう者は、多くの不便や不安を感じながら生活してきた。
 こうした中、障害者の権利に関する条約や障害者基本法において、手話は言語であると規定され、群馬県においても平成27年4月1日に群馬県手話言語条例が施行されるなど手話に対する認識が変わってきている。
 伊勢崎市においては、ろう者に対する社会的理解が十分でなかった昭和31年に「伊勢崎市ろうあ協会」が結成され、「聞こえる人と変わらない普通の生活の実現」を理想に掲げ、いつでも、どこでも、誰とでも手話による意思疎通ができる地域社会を目指して、各種活動に積極的に取り組んできた。
 これらの経緯を踏まえて伊勢崎市は、手話やろう者への理解の裾野を広げ全ての市民が心の絆を結び、安心して生活できる優しいふるさとの発展に力を合わせていくことを目指し、この条例を制定するものである。
(解説)
 「手話は言語である」ことについて、ろう者の視点から「前文」として表現したものである。制定の背景、理念、決意を明らかにするため、規定したものである。
 この「前文」は、聴覚障害者福祉協会等の当事者団体が主体となり、作成したものである。
 第1段落目は、「言語」の定義である。
 第2段落目は、「手話」の定義である。またろう者にとって、「言語」としての「手話」がどのような意味を持っているか、そして、「手話」が「言語」として認められなかったことで、ろう者が不便や不安を感じながら生活してきた経緯を表現している。
 第3段落目は、昨今、「言語」としての「手話」に対する認識が変わってきた経緯を表現している。
 第4段落目は、今日までの伊勢崎市聴覚障害者福祉協会の取組の経緯が述べられている。
 第5段落目は、これらの経緯を踏まえ、条例制定によって目指す伊勢崎市の将来像を表現している。

 (目的)
第1条 この条例は、手話に関する基本理念等を定めることにより、市民の手話への理解及び手話の普及の促進を図り、もって全ての市民が共に生きる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(解説)
 条例制定の目的を規定した条文である。
 条例に、基本理念、市の責務、市民の役割などを定めることによって、市民の「手話への理解」と「手話の普及」の促進を図り、最終的には、ろう者を含めた全ての市民が共生できる地域社会の実現を目的とすることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、市民の「手話への理解」と「手話の普及」の促進を施策展開の中心とすることを求めます。

 (基本理念)
第2条 手話への理解、手話の普及は、手話が言語であるとの認識に基づき実施されるものであり、手話を必要とする人の手話等による意思疎通を図る権利は最大限尊重されなければならない。
(解説)
 条例制定の基本理念を規定した条文である。
 市の施策の展開の中心となる「手話への理解」と「手話の普及」は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話を必要とする人の意思疎通を図る権利が最大限尊重されるべきことを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、「手話への理解」と「手話の普及」を、手話が言語であるとの認識に基づき実施することと、手話を必要とする人(ろう者)の意思疎通を図る権利を最大限尊重することを求めます。

 (市の責務)
第3条 市は、ろう者、手話通訳士、手話通釈者その他の手話に関わる者の協力を得て、広く市民の手話への理解を拡げ、手話の普及を図り、手話を学ぶ機会等の確保に努めるなど、手話を使いやすい環境を構築するための施策を推進するものとする。
(解説)
 行政としての「伊勢崎市」の責務を規定した条文である。
 行政としての市が、ろう者、国の資格者である手話通訳士、県の資格者である手話通訳者等の協力のもと、市民に対し、手話への理解を広げること、手話の普及を図ること、手話を学ぶ機会の確保に努めることなど「手話を使いやすい環境を構築するための施策」を推進すべきことを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、市民向けの手話の啓発事業、手話の普及のための事業、手話を学ぶ機会の確保のための事業などを求め、さらに、第10条に具体的な施策を規定し、施策の推進を求めます。

 (ろう者等の役割)
第4条 ろう者及びろう者の団体は、手話への理解及び手話の普及の促進のための活動を行うよう努めるものとする。
(解説)
 「伊勢崎市内のろう者及び伊勢崎市聴覚障害者福祉協会」の役割を規定した条文である。
 ろう者及びろう者の団体は、施策の展開の中心となる「手話への理解」「手話の普及」の促進のために活動することを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、伊勢崎市聴覚障害者福祉協会(協会に加入していないろう者を含む。)が市民の「手話への理解」と「手話の普及」の促進のため、自主的、積極的に活動を推進できるように、市民に周知を図ることを求めます。

 (市民の役割)
第5条 市民は、手話への理解を深め、市が推進する手話に関する施策に対して積極的に協力するよう努めるものとする。
(解説)
 「伊勢崎市民」の役割を規定した条文である。
 市民に対し、市民が「手話への理解」と「手話の普及」に積極的に協力できるための施策の実施を求めます。

 (教育機関等の役割)
第6条 教育機関、保育施設等は、手話への理解、手話を学ぶ機会及び手話に触れる機会の確保に努めるものとする。
(解説)
 「伊勢崎市内の教育機関・保育施設」の役割を規定した条文である。
 学校、幼稚園、保育所などに対し、「手話への理解」「手話を学ぶ機会」「手話に触れる機会」の確保に包めることを求めることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、学校、幼稚園、保育所などにおける手話教室等の開催を求めます。

 (事業者の役割)
第7条 事業者は、ろう者との意思疎通支援について配慮するとともに、ろう者が働きやすい環境の整備に努めるものとする。
(解説)
 「伊勢崎市内の事業所」の役割を規定した条文である。
 事業者に対し、ろう者が利用しやすいサービスを提供し、意思疎通について配慮を求めるほか、従業者であるろう者が働きやすい環境を整備することを求めることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、事業者が手話、筆談などを活用し、ろう者と意思疎通を図ることができる環境を整備するように、啓発を行うことを求めます。

 (医療機関の役割)
第8条 医療機関の開設者は、ろう者との意思疎通支援について配慮するとともに、手話通訳者の同席に対する理解に努めるものとする。
(解説)
「伊勢崎市内の医療機関」の役割を規定した条文である。
 病院、診療所などに対し、手話、筆談などによる意思疎通について配慮を求めるほか、診療時における手話通訳者の同席について理解を求めることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、医療機関が手話、筆談などを活用して、患者であるろう者と意思疎通を図ることや、ろう者が診療等を受ける際の手話通訳者の同席について、各医療機関に対し啓発を行う事を求めます。

 (県との連携及び協力)
第9条 市は、手話への理解、手話の普及その他手話を使いやすい環境の整備に当たって、県と連携し、協力するよう努めるものとする。
(解説)
 群馬県手話言語条例第5条において、市町村との連携及び協力をうたっており、それに対応する条文である。
 行政としての市が、施策の展開の中心となる「手話への理解」「手話の普及」を含む「手話をしやすい環境の整備」を行うときは、群馬県と連携し、協力することを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、群馬県が実施する以下の事業などを積極的に活用し、施策を展開することを求めます。
 ・手話通訳者養成事業や手話通訳者派遣事業
 ・手話通訳者を対象とする研修事業
 ・手話・要約筆記講習会の開催に対する補助事業

 (施策の推進)
第10条 市は、次に掲げる施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。
 (1) 手話への理解及び手話の普及を図るための施策
 (2) 手話による意思疎通や情報を得る機会の拡大のための施策
 (3) 手話を使うことができる環境整備に関する施策
 (4) 手話による意思疎通支援者のための施策
(解説)
 行政としての「伊勢崎市」に、施策の展開の中心となる「手話への理解」と「手話の普及」のため、第1号か
ら第4号に掲げる施策を実施するよう求めることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、第1号から第4号までに掲げる施策について、総合的かつ計画的に実施するよう求めます。

 (災害時の対応)
第11条 市は、災害時において、ろう者に対し、手話通訳者の派遣その他情報の取得及び意思疎通の支援のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(解説)
 行政としての「伊勢崎市」に、災害時に、手話通訳者の派遣など、情報の取得や意思疎通の支援のための措置を講ずるよう求めることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、災害時において、ろう者に対して必要な措置を講ずることを求めます。

 (人材の確保)
第12条 市は、第10条に規定する施策を推進するため、必要な人材の確保に努めるものとする。
(解説)
 行政としての「伊勢崎市」に、第10条に規定する施策を実施するため、人材の確保に努めることを求めることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、第10条に掲げる施策を総合的かつ計画的に実施するために人材を確保するよう求めます。

 (財政上の措置)
第13条 市は、第10条に規定する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(解説)
 行政としての「伊勢崎市」に、第10条に規定する施策を実施するため、財政上の措置を講ずることを求めることを表現している。
(施策への反映)
 市行政に対し、第10条に掲げる施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な財政上の措置をするよう求めます。

   附 則
 この条例は、公布の日から施行する。

*確認はしましたが、誤字・脱字ありましたら申し訳ありません。

終わりに
 条例制定の為に沢山のご意見とご協力を頂いた、聴覚障害者福祉協会の皆様・当事者の皆様・手話通訳の皆様に感謝申し上げます。又、条例制定の為に各方面や議会内の調整に奔走した手話言語条例制定委員会の会長を勤めた野田議員、事務局長を勤めた斉藤議員、お疲れ様でした、ありがとうございました。
posted by まにわ at 15:03| 群馬 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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