まにわ充裕です。
今回の話で、私が後援会の会員を失ったり、ひいては将来の落選に繋がったとしたら、
悲しみはあっても何の後悔もありません。
政治は妥協の産物の側面は否定しませんが、
私自身は自分の根っこにある部分の信念を曲げるぐらいなら、
政治生命どころか生命を失っても構わないと考える人間です。
先週ですかね、公務員試験がありました。そして年末にかけてまだ試験は残っています。
夏ぐらいになると、きっと、優秀な人材を役所に送りたいという真摯な想いから、
◯◯さんを採用すべき、というご意見を複数頂きます。
私のようなコネが無さそうな議員でさえ、そうなので、
もっともっとそのような声を頂く議員はいらっしゃるかもしれません。
多くの方から信頼と得票を集める某議員(伊勢崎市議ではない)に相談した事があるのですが、
そのような相談を受けると、必ず人事担当に伝えるとの事でした。
私は、口利きは致しません。
理由はいくつもありますが、何点か挙げると、
@役所もしくは公務員に公益にならない借りを作らないため
→義理と人情の世界ですから、借りはあっても良いかと思います。例えば、自分が必要と考える政策を実現していただいた職員が、他のチャレンジをする時に、それを後押しするような事が想定されます。
しかしながら、借りが自分の親族や後援会の知人を入職させた、ということになると、
公益(政策実現)ではなく、私利私欲(自分が当選に近づく)のために借りを作ったということになります。
これは公益よりも私利私欲を優先した事になります。
私利私欲を求める事は生きるために行うことかもしれませんが、それなら議員でない職業や方法で行いたいのです。
A採用システムの不備
→もし、本市にとって必要な人材が従来のシステムによって不採用になるという事実があったとしたら、
そのシステムの不備について意見を行うのが私の役割です。
先日の決算委員会において、採用試験の新たな試みについて質疑しましたが、
私は良いシステムに挑戦していると認識しています。
B採用された本人も苦しむことになる
→もし、本来は不採用であった、もしくはそもそも採用される予定であった場合、そういうレッテルを貼られ、一生負うことになります。
これについては、インターネットで拾った文章ではありますが、大変わかりやすいものがあったので、紹介いたします。
○○市議会議員 ○○様
日頃より○○市政の発展のためご尽力いただき、誠にありがとうございます。
私はかつて○○市の人事課等で勤務し、現在は退職しております○○と申します。
今回は突然のご連絡で大変恐縮ではございますが、「職員採用」に関することで1点お願いがありメールを差し上げました。
お願いというのは、このメール内容を○○市議会議員の全議員に周知いただくことです。
まず、釈迦に説法で恐縮ですが、職員採用については地方公務員法において「受験成績その他の能力の実証に基づいて行わなければならない」と定められており、「成績主義」の理念の下、公平かつ公正に行われなければなりません。
しかしながら、複数の市議会議員の行動が、この理念に反していると思われます。
私は、○○市の人事課で従事していた際に、職員採用事務を担当しておりました。
その際、何名かの議員から、職員採用に関していわゆる「口利き」のような行為がありました。
一例を挙げますと、ある議員の方から「○○協会の会長のご子息が今年度の○○市の採用試験を受けるようである。私の選挙区での有力な支援者でいらっしゃるので、くれぐれもよろしくお願いしたい。」といった話が、採用試験前に人事課に入るようなことがありました。
もちろん、この「よろしくお願いしたい」の意味するところが「優秀な人なので是非とも面接の参考にしてほしい」という○○市を想った善意によるものかもしれませんし、
仮に「融通を利かせるように」という悪意によるものだとしても、職員採用は筆記試験等の点数に応じて合否を判断するため、融通を利かせる余地はほとんどありません。
しかしながら、こういった口利きのような行為には、以下のような問題点があります。
・市民に対して公平・公正な職員採用が行われていないとの疑念を抱かせる可能性がある
・渦中の受験生本人は裏で大人が動いていることを知らないこともあり、その場合、本人の意に反して「コネを利用した人物である」との疑いを掛けられてしまう
・人事課職員は議員への忖度から、当該受験生を不採用にする際には余計な検討が生じたり、議員への説明資料の作成を強いられたりと、不必要な業務や過大なストレスが生じている 公平かつ公正な採用試験が行われ、優秀な職員を採用し、ひいては○○市の発展に繋げたいとの想いは、議員も職員も同じだと思います。
今後は、例え悪意がなかったとしても、このような疑義の生じるような行為は慎んでいただきますよう、心からお願い申し上げます。
失礼を顧みず、勝手なことを申し上げましたこと、心からお詫び申し上げます。
末筆ながら、益々のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
引用以上。
私はかつて、仕事でもプライベートでも大変お世話になった方に採用を頼まれた事があります。
もちろん私の信念に沿って、お断りを致しました。
その方の落胆は大きいものがありましたし、それ以後の交流はほとんどありません。
私は議員を続ける限り、友人も、親族も、上記のようなお世話になった方も、
どの方でも、採用のお手伝いをすることはありません。
「どうせ試験に口利きの要素は無いのだから、伝えるだけ伝えて、採用されたら手柄になるのでは?」とか、
「筆記も面接も同じ点数が並んだ時に、最終決定の場面では口利きが有効になるのでは?」
などの意見を頂くこともあります。
私の事を思ってのアドバイス、大変ありがたく思います。
それでも、
例え最大会派に所属して、より意見が尊重されやすい立場になったとしても、
どなたにも私的な借りを作らず、
どなたにも恥じることがない立場で、
公務員にとって対峙しやすいではなく、少しやっかいだなあと思われる議員でいつまでもあり続けたいと思います。
ガッカリした方もいらっしゃると思いますが、
今後ともご指導のほど、お願い致します。